フランチャイズビジネスとは何か?を問われて、なんとなく概要を把握していたとしても、的確に説明できる方は少ないのではないでしょうか?
コンビニや、飲食店で加盟店募集の張り紙はよく見ても、なかなか具体的イメージがなければ参加もしにくいものです。
そこで今回は、これから事業をはじめてみようと思う人にもわかるように、フランチャイズの意味とその仕組み、選び方をご説明します。
成功するコツもお教えしますので、フランチャイズビジネスに興味を持っている方には、必見の内容です。
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フランチャイズの意味を簡単に説明すると?
フランチャイズとは、具体的にはどのようなものと言われるのでしょうか。
経済産業省から認可を受けた一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会は、フランチャイズについて以下のように説明しています。
フランチャイズとは、事業者(「フランチャイザー」と呼ぶ)が、他の事業者(「フランチャイジー」と呼ぶ)との間に契約を結び、自己の商標、サービス・マーク、トレード・ネームその他の営業の象徴となる標識、および経営のノウハウを用いて、同一のイメージのもとに商品の販売その他の事業を行う権利を与え、一方、フランチャイジーはその見返りとして一定の対価を支払い、事業に必要な資金を投下してフランチャイザーの指導および援助のもとに事業を行う両者の継続的関係をいう
JFAフランチャイズガイドより引用:http://fc-g.jfa-fc.or.jp/article/article_10.html
上記を分かりやすく言い換えてみましょう。
端的に、「事業者が、事業をはじめたい人に必要なあらゆるものを用意して、事業をはじめやすくする代わりに、お金を支払ってもらう仕組み」です。
フランチャイズは、アメリカ発祥の文化で、フランス語の「franchise」が語源であり、フランス語では自由・率直を意味しています。
英語の「franchise」を直訳すると、特権や参政権のような意味で使われるようです。
直営店舗とフランチャイズの違いとは?
フランチャイズビジネスには、2つの事業主が関わっています。それは直営店と、加盟店の関係です。
直営店をレギュラーチェーンとして「RC」、加盟店をフランチャイズチェーンとして「FC」と表記することもあります。
直営店は会社が直接運営しており、本社と密に連携が可能なので、事業方針の伝達、実行がスピーディーであり、会社の新しい施策のテスト運用なども行います。
一方、加盟店は契約を結んだ会社もしくは個人が店舗を運営します。店舗の責任者は「オーナー」と呼ばれることも多いです。
直営店で精査した結果、横展開可能と確定したノウハウ、成功した事例などを譲り受けて運営します。
フランチャイズの簡単な仕組みとは?
直営店と加盟店の違いと合わせて、フランチャイズの全体的な仕組みと関係性も理解していきましょう。
フランチャイザーとフランチャイジー
元の事業主(本社)をフランチャイザー、加盟する契約を結んだ事業主をフランチャイジーと呼びます。
フランチャイジーは、直営店に吸収されるのではなく、契約に基づいた条件に同意した事業主であり、ビジネスパートナーです。
フランチャイズ加盟すると本社とどう繋がる?
冒頭で挙げた、「事業者が、事業をはじめたい人に必要なあらゆるものを用意して・・・」が、具体的にどのようなものなのかをご紹介します。
・店舗を運営するのに必須となるお店の看板
・店舗を開店する場所の確保
・仕入先業者の紹介
・商品をどのように販売すれば売上が上がるか?というノウハウ
・売上管理方法のノウハウ
・お店を運営するためのスタッフ採用と育成の仕方
店舗を自力で出店するのはかなりの労力と手間がかかりますが、フランチャイズであれば述べたように、必要なものや知識を提供してもらえます。
その見返りとして毎月のロイヤリティを支払うわけですが、ロイヤリティと引き換えに、「強力な後ろ盾を手に入れるようなもの」と思っていただければと思います。
フランチャイザー=雇い主ではない
フランチャイズ加盟するときに忘れてはいけないのは、フランチャイザーはあくまで経営パートナーであって、雇い主ではありません。
最終的な責任の所在が、フランチャイジー側である事は忘れないようにしましょう。
フランチャイズの主な3つの種類とは?
フランチャイズで出店するには、特徴の異なる3つのパターンがあります。あわせて解説していきましょう。
ビジネス・フォーマット型フランチャイズ
フランチャイズと言うと、大体がこのモデルが想定されます。
先に説明した、看板や運営のためのノウハウなどが用意されているのが特徴です。
必要なものから運営ノウハウを除いて、商標や原材料、商品だけを提供するモデルは「商標・商品型フランチャイズ」と言います。
ターンキー型フランチャイズ
ロイヤリティが少し上がっても、手っ取り早くお店をオープンしたいという方におすすめなのが「ターンキー型フランチャイズ」です。
ターンキー型フランチャイズは、カギを貰えれば開店できる状態で運営をはじめられるのが特徴です。
これは、コンビニエンスストア業界に増えてきている傾向があります。
コンバージョン型フランチャイズ
元々事業を運営していた店舗が、屋号や商法を変更して生まれ変わって加盟するモデルを「コンバージョン型フランチャイズ」と言います。
コンバージョンとは、和訳すると「転換」の意味です。
個人事業だった不動産やホテルに事例が多く、チェーン店として新たな集客を望みたい方などが利用します。
加盟する直営店はどんな基準で選べばよいか?
フランチャイズ経営に参加したいと思っても、選ぶ直営店によって成功するか失敗するかが大きく変わってきます。
そこで、参入して失敗しないように、直営店を選ぶポイントについてご説明します。
ネームバリューがある
フランチャイズ加盟のメリットとして、知名度を活かせる点が挙げられます。
直営店が有名でないと、そのメリットの恩恵は受けられませんが、ネームバリューがあるほど集客に繋がります。
大手チェーンになるほどにロイヤリティは高くなる傾向がありますが、予算面を考慮しながら、ネームバリューある会社を選ぶとよいでしょう。
ノウハウの構築と共有方法が確立されている
次に重要なのは、共有されるものがわかりやすく、運用しやすいかです。
規模の小さい会社や中小企業では、マニュアル整備がされておらず、指導が口伝のみになっているところも。
また、いずれはスタッフに伝える側になるオーナー自身が、内容をしっかり理解できる環境であるか?という点も大事なポイントです。
継続的なオーナー向けセミナーの有無や、アフターフォローがしっかりしているか?という点も漏れなくチェックしましょう。
自分の理想としている店舗運営と方向性が一致している
開業を希望する方であれば、「こんな店舗にしたい」「あんな店舗にしたい」という、店舗運営の理想を持っているはずです。
しかし、フランチャイズ加盟すると、基本的には本社の方針に従わなくてはいけません。
そのため、本社の経営方針に共感できるか?という点を見極める必要があります。
経営方針に違和感を持ったまま加入した場合、後々トラブルに発展してしまう事も考えられますので、一緒に成長したいと思えるパートナーを選びましょう。
フランチャイズに加入するまでの流れとは?
フランチャイズに興味を持つと、どのように選べば良いかも気になるところ。
加入までの大まかな流れは以下の通りです。
1.フランチャイズチェーンについての情報収集
2.加盟したい企業が決まったら企業説明を受ける
3.営業している店舗を下見し運営しているイメージを掴む
4.家賃や収入とのバランスなど数値的な試算を行う
5.加入する意思が固まれば応募して審査を受ける
6.審査通過後加入決定
情報収集の方法はインターネット検索や、フランチャイズチェーン協会が行う合同セミナーやイベントがあります。
加盟したい企業が決まれば、それぞれの会社が個別で開催している説明会や、面談を受けましょう。
そして、契約解除によって違約金が発生するケースもあるため、加入前の試算も大事な過程です。
フランチャイズで成功するコツとは?
フランチャイズ加盟すればどなたでも成功するとは限らず、失敗してしまう事も考えられます。
例えば以下のようなものです。
・本社の意向に従えずフランチャイズ契約を破棄される
・本社のアドバイスを無視した結果売上があがらない
・ノウハウを独自解釈し閉店に追い込まれる
失敗する原因で共通するのは、「確認を怠ってしまう」や「自分の考えばかりで運営してしまう」というもの。
道筋は立てて貰っても、運営するのは自分である点を忘れないのは大切ですが、自分のやり方にこだわり過ぎず、直営店からのアドバイスを聞いて、柔軟に対応する姿勢が成功のカギを握ると言っても間違いではないでしょう。
まとめ:フランチャイズの意味って?初めてでも分かる仕組み解説!
フランチャイズビジネスとは、営業に必要な物資やノウハウを、本社から提供してもらえる代わりに、見返りとしてロイヤリティを支払うビジネスモデルのことです。
はじめての店舗運営には不安が多いものですが、フランチャイズ加盟すると、不安な要素が解消されるのは間違いありません。
興味はあってもなかなか踏み出せないのであれば、有識者を頼るのが一番です。
フランチャイズ加盟について、まずは情報収集からはじめてみてはいかがでしょうか?