優れた人材を獲得するために、採用担当者には人材の本質を見抜く力が必要です。特にアルバイトやパートの場合は、一度きりの短い面接でその力を発揮しなくてはいけません。
一般的に人材採用には多くの時間もコストもかかっているため、面接では好印象を持ったのに「実際働いてみると様子が違った」「採用後すぐに連絡が取れなくなった」などという事態は店舗にとって大きな損失となってしまうのです。
この記事では、採用面接でどのような質問をすれば人材の本質を見抜けるかをご紹介します。
Contents
面接前にするべきこと
まず、面接に訪れた応募者の多くが緊張状態にあるはずです。その度合は人それぞれですが、緊張している状態では相手の本質が見抜きにくくなってしまいますよね?
相手の緊張を和らげてから面接を始めるようにしましょう。それがお互いのためになります。
面接開始前にアイスブレイクを挟む
応募者の前に座り、すぐに質問を始めるのでは緊張感を取り払えず、相手の本心を聞くことが難しいでしょう。
「相手が安心して話ができる環境を用意する」アイスブレイクを挟めば、お互いの距離感を簡単に近づけられます。
アイスブレイクにかける時間は数分でかまいません。ほんの少しの気遣いで十分なのです。
一番簡単な方法は、相手との「共通点」を探すことです。
例えば履歴書を見て「釣りが趣味ですか!私も釣りが好きで・・・」「◯◯大学出身なんですね、息子が同じ学校に通っています」などが良いでしょう。
どうしても相手との共通点が見つかれなければ「今日は暑いですね」「道に迷いませんでしたか?」などの世間話に近いようなものでも構いません。
面接で人材を見極めるための基本
実際に面接では相手の本質を見抜くためにどのような質問をすれば良いのかと言えば、思いついたことを質問するのではなく、質問のタイプを使い分けて効果的に相手の人柄や背景を掘り下げることが良いでしょう。
面接で使いやすい質問のタイプとタイプ別の質問例をご紹介します。
オープンクエスチョン
オープンクエスチョンとは「はい」「いいえ」だけで返答ができない質問です。
相手が自由に答えられるので多くの情報を得られます。
例
「志望動機を教えてください」
「将来の目標はなんですか?」
「自分の性格を説明してください」
発言の背景について質問
オープンクエスチョンで聞いた内容の背景について質問します。応募者の発言の背景を知ることで、今までの経験や価値観を知ることが可能になります。
例
「そう思った理由はなんですか?」
「なぜそうしたいのですか?」
裏付けや具体例を質問
応募者の発言の信憑性を探り、行動と考えへの一貫性を判断します。面接だからと建前だけで話している場合は裏付けが話せない場合があり、相手が自分の言葉で話しているかが見えてきます。
例
「過去に同じようなことがありましたか?」
「具体的な経験や体験を教えてもらって良いですか?」
クローズドクエスチョン
オープンクエスチョンの逆で「はい」「いいえ」または「A・B・C」のような選択肢のある質問の事を言います。相手の意思を明確に確認するために使います。
例
「採用後は土日の勤務はできますか?」
「面接を受けてみてこの店舗での勤務を希望しますか?」
共感
これは質問ではなく、面接中の会話が発展しやすいコツの一つです。相手の返答に共感しながら質問を進めましょう。
例
「確かにそのとおりですね」
「素晴らしい考えをお持ちですね」
「なるほど。よく分かりました」
得たい情報と具体的な質問例
スキルとは別に、働くスタッフに所持してほしい能力はたくさんありますよね?例えば「判断力」「チームワーク」などが挙げられますが「あなたは判断力がありますか?」と質問しても明確な返答は得られないでしょう。
どのような質問をすれば相手の能力を判断できるのか?質問例を紹介します。
判断力があるか
たくさんの仕事を任された時・店舗が混雑している時など、どの作業を優先して進めれば業務が効率的に進むのかを判断できるかという能力ですね。
例
「自分ができないような量の仕事を任されてしまったら、どの作業からはじめますか?」
周囲に助けを求められたり、自分で優先順位を決められると良いのですが言われた順番通りにマニュアルに沿って業務を進めるなどの返答では、判断力に不安が残りますね。
チームワークを大切にできるか
店舗で働くスタッフのチームワークは大切ですし、チームワークを乱すような人材を入れてしまうと店舗のオペレーションにも関わります。
他のスタッフとの兼ね合いも考える必要がありますね。
例
「今までにチームワークの必要な活動をしたことがありますか?」
それが学校行事や部活動でも構いません。一つでも何か活動経験が聞けると良いでしょう。
時間や約束を守れるか
時間にルーズな人は極力採用を避ける方が良いでしょう。
他のスタッフへの負担が増えてしまいますし、時間に関しての価値観の違いは簡単には改善できない場合が多いためです。
直接的に遅刻をするかどうかを聞いても本当の答えは得られない可能性が高いので、時間を守れなかった時の対応を確認し、相手の持つ時間への価値観を見極めましょう。
例
「もし遅刻をしてしまいそうな時にはどうしますか?」
正解は「まず遅れてしまうことを連絡する」ですが「とりあえず急ぐ」「なんとか間に合わせる」と場当たり的な返答をする場合は注意が必要です。
遅刻に関しての重く捉えられない性格な可能性があります。
トラブル・ストレスに強いか
新しい職場では少なからず誰もがストレスを抱えてしまうと思います。また、何かしらのトラブルは発生するものでしょう。
そのような中でも本来の能力を発揮できるかどうかは、今までの経験が役立ちます。
例
「今までで一番苦労した仕事は何ですか?また、どのように対応して乗り越えましたか?」
年齢によっては仕事ではなく部活動や学校行事でも構いません。ストレスを抱えた状態で、成果を出せる人材かどうかが分かるでしょう。
質問以外の判断材料
質問以外にも採用面接時に人材を見抜く判断材料はいくつもあります。
その内容をまとめました。
身だしなみが整っているか
アルバイトの面接であればスーツを着る必要はありませんが、どのような業種でも清潔感は欠かせません。
ファッションは自由だとしても清潔感があるかどうかは必ず判断材料にしましょう。
面接前後の態度
面接の間だけきちんとした態度をしていても意味がありません。店舗に入店する時の態度・面接官を待つ間の態度・面接後の態度もしっかりと確認しましょう。
現在働いているスタッフがいるのであれば、スタッフへの態度にも注目しておくべきです。
まとめ:採用面接で人材を見抜くためにはどのような質問をすればいい?
限られた時間で、人材の本質を見極める方法を具体的に説明いたしました。
面接に慣れてくれば事前の準備は必要ありませんが、はじめは面接官も「何をどう質問しようか」考えた上で面接に臨むと良いでしょう。
また、応募者は採用に至らなくてもお客様になる可能性のある存在ですので、丁寧な対応を心がけることも忘れないようにしましょうね。