開業すると決めたら真っ先に決める必要があるのが『コンセプト』です。
しかし、コンセプト作りは簡単なことではありません。
コンセプトを中心に経営をしていくため、しっかりとした意味や理由を持ったコンセプトにする必要があります。
そこで今回は、コンセプト作りの参考になるよう、大手企業のコンセプトを紹介していきます。
モデル1:ルノアール
最初に紹介するのは、『銀座ルノアール』です。
この企業が掲げているコンセプトは、「ホテルのロビーを目指す喫茶室ルノアール」「都会のオアシス喫茶室ルノアール」の2つです。
喫茶店事業の中でも『お客様に快適空間として通ってもらえる』という部分をメインに据えたコンセプトになっています。
最近では少なくなりつつある人と人のコミュニケーションにも力を入れており、コミュニティプラザとしても評価されています。
上記のコンセプトを掲げつつ時代や環境の変化、生活様式の変化などにも対応しており、社会にも必要とされるまでとなりました。
「おもてなし」の精神が世界中に注目されている中で、ルノアールが実践している「おもてなし」に存在価値があると名言しているくらいです。今後も新しい店舗展開を考えながら進化していくことでしょう。
モデル2:俺のイタリアン
東京・新橋にある飲食店『俺のイタリアン』のコンセプトを紹介します。
大不況と言われた時代でも「一流の料理人が高級食材を”じゃぶじゃぶ”使用した一流の料理を作り、お客様が驚くほど安い価格で提供する」というコンセプトの元経営を行い、オープン1年目でありながら長蛇の列を作るくらいの名店になりました。2時間制というシステムで回転率を高め、原価率60%でも黒字になる営業を行っています。
そのため、普通であれば5,000円以上する高級料理が2,000円以下で食べられるのです。
それに加えて、料理人はミシュランで星を獲得したレストランで働いてきた精鋭というのも強みです。
コンセプトを崩さず高品質なサービスを行ったため、口コミで評判が広がり人気店となっていきました。
ここから分かるように、コンセプトを確立すること、それを崩さず突き通すことが重要です。
ビジネスの成功は、コンセプト作りに要約されていると言っても過言ではありません。
モデル3:スターバックス
日本にも進出しているコーヒーショップ『スターバックス』のコンセプトを紹介していきます。スターバックスが掲げているコンセプトは「サードプレイス」です。
サードプレイスには以下のような意味が込められています。
1.家
2.職場(学校)
3.1と2を結ぶ中間地帯
この3番目こそ「サードプレイス」なのです。
スターバックスの事業はサードプレイスを核としており、サードプレイスがあるからこそスターバックスは機能しています。
サードプレイスが機能すると以下のようなものが得られるとされています。
1.心をニュートラルにするもの。つまり、着飾る必要のない素の自分でいれる。
2.さまざまな人との出会いの場として利用できる。
3.個人オフィス、知的フォーラムとしての機能にも期待できる。
4.ローカル(田舎)な場所にも店舗があり、いつでもアクセス可能な場所である。
5.どんな人でも受け入れてくれる包容力のある空間である。
コーヒーを通すことで、会社に長時間閉じ込められている気持ちを開放すること、新しい発想を生み出す力になること、気持ちを落ち着かせるリラックス効果を生み出すことなど、多くの効果が期待できます。
これらのコンセプトを崩さないためにコーヒーの香り、思考には刺激を、目には安らぎを与えるインテリア配色、照明や装飾品への拘り、リラックスできるBGMなど企業努力が垣間見えます。
こういったコンセプトへの追求がお客様の心に響き、全世界への店舗展開へと繋がっていったのです。
まとめ:店舗コンセプトの例をご紹介!コンセプト作りの参考にしよう!
参考になりそうなコンセプトは見つかったでしょうか?
最初はコンセプトを真似して、自分の企業理念にあっているのか、お店の目的に合っているのかを検証しながら見つけていくのも手です。
ここで参考になりそうな企業がなかったとしても、各企業のホームページには企業理念や、どのようなコンセプトで経営しているかを記載していることが多いです。
もし気になる企業や業界がある人は、情報収集してみるのも良いと思います。