飲食店の原則禁煙!2020年4月より施行された改正健康増進法を徹底解説! – 開業支援のオフィス店舗経営.COM|店舗オーナー様をトータルサポート

2020.7.6

91 views

飲食店の原則禁煙!2020年4月より施行された改正健康増進法を徹底解説!

2020年4月から改正健康増進法が施行されたことで、飲食店は原則禁煙となりました。
これまでは、飲食店の各店舗がマナーとして任意で各店舗が行っていた受動喫煙対策が義務化されたことで、これまでとどう違うのでしょうか。

また、義務化された飲食店での禁煙に違反した場合には、どういった罰則があるのかも気になりますよね。
今回は、健康増進法の改正に伴う変更点や、飲食店での禁煙に違反した場合の罰則などを紹介しますので参考にしてください。

健康増進法の改正に伴う変更点とは?違反したらどんな罰則があるのかも解説!

まずは、健康増進法とは何であるのか理解しましょう。また、改正に伴う変更点についても解説していきます。

健康増進法とは?

健康増進法とは、国民の健康増進や栄養改善を目的とした法律です。
受動喫煙防止に関する記述があるのは、この法律の第25条です。

健康増進法第25条で飲食店のような多数の者が利用する施設の管理者に対し、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう求めています。

もともとは努力規定が制定されていましたが、条文に違反しても法令上なんの罰則もありませんでした。
また、飲食店のような対象となる施設への受動喫煙防止措置の具体的方法も明示していましたが、法的強制力もありませんでした。

健康増進法の改正に伴う変更点は?

2020年に東京オリンピック・パラリンピックに向けた受動喫煙対策が推進されることになったことから、2018年7月に内容の改正が決まりました。
そして、学校や病院、行政機関などの施設から順次施行されていくこととなりました。

また、2020年4月1日の全面施行前から、店内での全面禁煙を開始していた一部の飲食店もありましたが、全面施行になったことですべての飲食店内で原則禁煙となりました。
改正によって変更となったのは、次の4つです。
・屋内は原則禁煙
・20歳未満は喫煙エリアへの立入禁止
・屋内の喫煙は喫煙室の設置が必要
・喫煙室に標識掲示が義務付け

ただし、一定条件を満たしていたり、屋内に喫煙専用室を設置したりしていれば、施行後も屋内での喫煙は可能となります。
しかし、20歳未満のスタッフはその喫煙専用室への立ち入ることができません。
また、一定条件を満たしていても、屋内喫煙がある飲食店では20歳未満の方は働くことはできません。

改正健康増進法に違反したらどんな罰則がある?


健康増進法に違反したらどのような罰則があるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

なぜ罰則が科せられることになったのか?

もともと、改正前の健康増進法で飲食店などへ求めていた受動喫煙防止措置は努力規定でした。
そのため、お店が受動喫煙を防止するために必要な措置を講じていなくでも、法令上何の罰則もありませんでした。
しかし、健康増進法の改正後は屋内での全面禁煙に違反していた場合に、罰則が科せられる可能性があります。
なぜなら、望まない受動喫煙を防止するための取組みが、健康増進法の改正によってマナーからルールへと変わったからです。

科せられる罰則の内容とは?

もし飲食店が屋内全面禁煙を守らず、お客さんに対して屋内での喫煙を許していたり、受動喫煙を防止するために必要な措置を講じていなかったりした場合には、そのお店に対して過料の罰則が科せられる可能性があります。
過料とは、秩序罰としての過料であり、法律秩序を維持するために違反者に制裁として科せられるものです。

改正健康増進法の違反による過料の金額については、都道府県知事等の通知に基づいた地方裁判所の裁判手続きで決定します。
具体的な金額は違反内容により異なりますが、改正健康増進法を違反した場合には最大50万円の過料が発生します。

誰に罰則が科せられるのか?

飲食店などの施設で、屋内での全面禁煙に違反していた場合、誰に罰則が科せられるかは違反内容によって異なります。
違反内容によって罰則対象が全員になる場合と、管理者もしくは管理権限者だけが罰則対象となる場合があります。
ちなみに、喫煙禁止場所での喫煙や誤解を招く標識の掲示、標識の破損は全員が対象です。
また、喫煙禁止場所に灰皿を設置したり、20歳未満を立ち入らせたりした場合は、管理権限者や管理権限者のみが罰則を受けます。

過料の罰則が科せられるまでの流れは?

改正健康増進法の違反が見つかれば、すぐに過料の罰則が科せられるわけではありません。
もし違反が見つかった場合は、まず都道府県知事からの指導が入ります。
指導が入った後も、お客さんに対して屋内での喫煙を許していたり、受動喫煙を防止するために必要な措置を講じたりしない場合には、勧告・命令・公表に進みます。

そこまでの段階までに改善すれば、過料の罰則は科せられませんが、勧告・命令・公表が行われても改善が見られないときは、最大50万円の過料が発生してしまいます。

一定条件を満たせば施行後も屋内喫煙が可能?


2020年4月から飲食店などでは原則屋内禁煙となりましたが、一定条件を満たしていれば屋内で喫煙していても改正健康増進法の違反にはなりません。
それでは、詳しくみていきましょう。

喫煙場所を提供する施設は屋内喫煙が可能?

飲食店のなかには「喫煙場所を提供する施設(喫煙目的施設)」が存在します。そうした飲食店では、屋内喫煙していても改正健康増進法の違反にはなりません。

飲食店での喫煙場所を提供する施設(喫煙目的施設)とは、喫煙を主たる目的とするバー・スナックのことです。バーやスナックなどの飲食店は、お客さんに喫煙を自由に楽しんでもらうこともサービスの一環であることから、喫煙目的施設とみなされます。

そのため、受動喫煙防止の構造設備基準を満たす場合に限り、室内に喫煙目的室を設置することができます。

施行後も屋内喫煙が可能な飲食店の条件とは?

4月1日の時点で営業しており、客席面積が100平方メートル以下かつ資本金5000万円以下の小規模店は、自治体による個別の規制が無ければ、屋内全面禁煙にしていなくても改正健康増進法の違反にはなりません。
ただし、入口などの見えやすい場所に「喫煙可能店」、「20歳未満は立ち入り禁止」といった標識を掲示しておく必要があります。
また、喫煙可能店にするには、管轄の保健所などへ届出書を提出が必要になります。
もし、入り口などに掲げた標識が紛らわしい標識であったり、汚れて見えにくくなっていたりする場合は最大50万円の罰金になる可能性があるので注意しましょう。
また、届出書が未提出であった場合も同様の罰則が科せられます。

喫煙専用室を設置する

2020年4月1日以降の新規店や客席面積100㎡超、資本金5,000万円超の飲食店でも、喫煙専用室を設置すれば屋内喫煙が可能となります。※喫煙専用室での飲食はできません。
また、喫煙できる場所の出入口と、主な出入口の見やすい場所にその旨を表示しておかなければなりません。

加熱式たばこ専用喫煙室であれば飲食は可能となりますが、たばこの煙が漏れないように壁・天井等によって区画し、煙を屋外に排気するようにしておく必要があります。

まとめ:飲食店の原則禁煙!2020年4月より施行された改正健康増進法を徹底解説!

改正健康増進法が施行されたことで、受動喫煙対策が法律として定められてしまいました。これまでは、努力規定で罰則はありませんでした。

しかし、時間や席で分けて分煙するだけで十分でしたが、そういうわけにはいかなくなったのです。
最大50万の罰則を科せられてしまうと飲食店にとって大ダメージになってしまいますから、規定に従って、非喫煙者が受動喫煙しない環境作りをするとともに、自分のお店で違反者が出ないよう徹底しましょう。

参考
https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/#anchor8
https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/business/restaurant/type_2.php

関連キーワード

あなたにおすすめの記事

よく読まれている記事

この記事を見た人はこんな記事も見ています