スピーカーは位置や高さによって音の響き方が大きく異なります。
目的によって最適な設置場所も違うので、個人で楽しむ場合と店舗ではスピーカーのセッティング方法は変えた方がいいかもしれません。
その理由と店舗でのスピーカーの位置について、この記事の中で詳しくご紹介していきたいと思います。
Contents
スピーカーの位置で聞こえ方が変わる
スピーカーはなぜ位置にこだわる必要があるのでしょうか?
それは、スピーカーから出る音の広がり方に答えがあります。
音は、音域によって伝わり方が異なり、低音は広い範囲に拡散。高音は直進的に音が伝わります。
そのため、店舗にスピーカーを設置する時は「どのように音を聴かせるか?」を意識しなくてはなりません。また、音の広がり方や進み方を指向性と呼ぶのですが、この指向性を考慮する必要があります。
家と店舗では目的が異なるので設置方法を変えよう
自宅でスピーカーを設置する時に重点を置くのは、どんなポイントでしょうか?
多くの場合「迫力のある音」「臨場感のある音響」を目指していると思います。
迫力のある音を楽しむためには、人間の耳と同じ高さにスピーカーを設置して位置を調節することが多いのではないでしょうか?
実はこれ、店舗にスピーカーを設置する時の真逆といっていいほど異なる考え方なんです。
なぜかというと、お家では音楽や映画に集中して楽しむためにスピーカーを設置します。
しかし、店舗は音楽が主役ではなく「居心地のいい空間を作る」ことが優先されることが多いのです。
自宅と同じようにスピーカーを設置してしまうと「うるさい」「居心地がよくない」「会話に集中できない」とお客様が感じてしまうかもしれません。
そのため、店舗でスピーカーを設置するならダイレクトに耳に音が入り込まないように、上の位置を選ぶようにしましょう。
カフェやレストラン、などでは、天井にスピーカーが埋め込まれているのを良く目にします。
スピーカーを空間の上部に置くことで音楽が邪魔にならず、全体的にふりそそぐように音が広がるのです。
もちろん、会話ではなく音楽や映像を重視するタイプのお店ではまた状況が異なりますが、ほとんどの場合業種に関係なくスピーカーは上につけるのが鉄則です。
スピーカーを埋め込むのは設備的に難しいという場合は、天井に近い部分にやや下向きにスピーカーを設置しましょう。
天井に対して上向き、並行に設置すると音の反射によって音の聞こえ方が変わってきてしまうためです。
ギャラリーやブランドショップでは、空間全体の雰囲気をデザインするためにあえてメインスペースから離れたところにスピーカーを置くこともありますが、テクニックや知識が必要な作業です。
スピーカーだけでなく、プレイヤーやアンプの設定でこれに近いことは可能です。
サブウーファーなどの機器も活用しよう
ジャズなど、低音域が大切な音楽をよく流す店舗では「サブウーファー」を取り入れているところもあります。
サブウーファーとは、低音域専用のスピーカーです。
ご自宅に5.1chのサラウンドシステムがある方にはお馴染みかもしれませんね。
サブウーファーを使うことで、音楽がより豊かに再生されます。
ジャズ・ロック・EDM・ディープハウスなど、ベース音が大事な音楽に向いています。
サブウーファーには音楽に向いている正面タイプのスピーカーと、映像再生に向いているスピーカーが下付きのものがあるので、お店のスタイルに応じて使い分けてみてください。
まとめ:スピーカーの位置はどの高さがベスト?店舗と自宅ではセッティングが違う?
店内の音楽環境というと、ついついかける音楽のジャンルや曲自体に視点がいきがちですが、再生環境の整備もかなり重要です。
自分が思う雰囲気を作りたいとお考えの経営者の方は、スピーカーの設置にも工夫してみるとよいでしょう。